キスまでの距離 〜おいしいコーヒーのいれ方1〜
書評 <内容> 高三になる春、僕といとこのかれん、その弟である丈の同居生活が始まった。 やがて僕は、かれんの秘密と、それにまつわる哀しい彼女の想いに気づいてしまう。 "かれんを僕のこの手で守ってあげたい…。"僕の心は激しく打ち震えた。 でも、どうしたら二人の距離は縮まる…。 どうしたら、彼女はその寂しげな瞳の中に僕の姿を映し出してくれる…。 純粋で傷つきやすい二人の恋の行方は…。 <感想> 読み終わった後、その心理描写の見事さに、思わず「うまい!」と思ってしまった作品です。 いとこ同士の勝利とかれん。 ひょんなことから同居することになり、そしてかれんに次第に惹かれていく勝利。 そんな中、かれんの秘密を知ってしまった勝利は、彼女を守りたいと強く思うところなど、かれんの弱々しさの表現と相まって、読んでいて同じ思いになってしまったほどです。 そして現れる、“かれんに釣り合う男・中沢”の存在。 彼が現れたときの勝利の心のうち、その強い嫉妬心も見事に描かれており、それが引き金となってのかれんへの告白と言う運びもまた、そこにたどり着くまでの勝利の行動を思わず応援し、一緒になって緊張してしまったほどです。 最終的には両想いになった2人…これからどのような人生を歩んでいくのか、今後がますます楽しみな作品です。 |
評価 | |
読みやすさ度 | ★★★★★ |
考えさせられる度 | ★★★★☆ |
ためになる度 | ★★★☆☆ |
文章の綺麗さ度 | ★★★★★ |
読了感度 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★★ |
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